familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ

警戒心を持って働くこと①

少し話題が古いですが、積水ハウスの地面師詐欺事件に注目しています。

住宅大手の大企業、積水ハウスが地面師という土地専門の詐欺グループに欺され63億円もの被害を出してしまった・・という驚愕の事件です。63億円って、、うちの会社の何年分の売上だよー!

事件の成り行きは報道の通りなのですが、私が注目しているのはこの事件、事前にいくらでも防ぎようがあったらしい・・、ということです。

例えば取引を行った不動産ディーラーの住所が架空の住所であること、地権者になりすました女性がご本人とは似ても似つかずパスポートも全くの偽造であること・・などはいくらでも確認手段はあっただろう。けれど積水ハウスは事実関係の裏を取るどころか、本物の地権者から何度も警告があったのに無視、さらには顧問弁護士の忠告も無視して巨額の振り込みを強引に成立させてしまっている。もう内部に裏切者がいるんじゃないかと疑ってしまうくらい杜撰なリスク管理である。

この事件の原因の一つに、この取引が積水ハウス社内において早期の段階で"社長承認案件"になってしまったことが挙げられるそうだ。社長のお墨付きの案件はなんとしても成立させなければいけないプレッシャーが社内に強く働く。そのせいで取引のチェック機能がマヒしてしまった・・ということだ。元サラリーマンとしては、この気持ちはよく分かる。

もう一つ私が想像するのは、大企業相手にそんな大袈裟な詐欺を行う人なんてまさかいないだろう・・という油断があったのではないだろうか、ということ。大きな企業だと一つの取引に実に多くの人間が関わる。営業部門だけでも担当、直属の上司、そのまた上司と何人もの人がチェックを行うし、経理や法務の専門部署も関わる。そんな厳重なセキュリティ体制の会社に詐欺を働こうと思う人はまずいない。思えば私もサラリーマン時代、まさかこの業界に詐欺を行う人なんているはずがない!という感覚で仕事をしていた。ルートセールスだったので積水ハウスとは事情が違うが、前の会社が詐欺に遭ったなんて話は聞いたことも無かったし、想像したこともなかった。

騙そうとしてくる人に鈍感になってしまうというのは、致命的な大企業病かもしれない。前の仕事と今の仕事の大きな違いの一つに、詐欺からは自分で身を守らないといけない(誰を信用するかしないか、自分で判断しなければならない)ということがある。大企業では見えてなかった景色だけれど、世の中にはこちらを騙そうとしてくる人など別に珍しくもない。

何度も言うけどfamilybusinessを営むうちの会社には4人しか人がいない。小さな会社だけに、もし詐欺に遭ったらその被害は全て自分達で被ることになる。取引相手が本当に信頼出来る人なのかどうか・・というのを見極めるのにはまさに生活がかかってくるのだ。それが出来なければ、私は家業をこなすことが出来ないだろうと感じている。続きます。

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