familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ/オンライン読書会はじめました

仕事と生活②

仕事と生活の垣根が無い日々の話の続きです。 

サラリーマン時代、仕事と生活の間には不可侵の壁があった。

スーツを着て電車に乗って会社に行き、オフィスの机に座る・・という儀式を経ることで生活からは完全にエスケイプできる。会社では(少なくとも勤務時間中は)仕事>生活という価値観を持つことが強く奨励される。

会社に居ると我慢しなきゃいけないことは多いし、それが嫌で転職したようなものなのだけど、会社に居る時間は仕事のことだけを考えてて良い。「仕事と生活のどっちが大事なのよ!」と誰に言われることもない。これは極論を言えば・・・すごく楽である。

さて、家業に転職してからこの「不可侵の壁」が崩壊した。サラリーマン時代は「ゴメン今、仕事中だから」で済んでいたことがそれで済まなくなったのである。クリーニングにいつ行くか、いつ買い物に行くか、週末は何をして過ごすか・・というのを仕事をしながら同時に判断/行動しなければならなくなったのだ。

"不可侵の壁"が無いことで困ることは、仕事が立て込んだり仕事以外の用事が増えただけで、どちらかに容易に流されてしまうことだろうか。これまで"不可侵の壁"に守られていたものが無くなり、未だにポジション取りに迷う日々である。

私にとってこれは、「仕事は神聖で不可侵な行為」という神話の崩壊でもあった。10年間サラリーマンをやっていた私としては、これは画期的な変化だ。仕事は不可侵で神聖な行為・・という価値観は立派だし、生きていくうえですごく大事でもある。けれどそれが行き過ぎてしまった結果の不幸な事例も多い。最近も過労死に至ってしまった方がいらっしゃるそうで、元サラリーマンとしては胸が痛む事件である。仕事を頑張りすぎた結果、家族や近しい人が犠牲になってしまうような事態は避けたい。

仕事も生活も、両方をかけがえのない神聖な行為だと認識してどちらにも流されないよう、価値観の転換が求められているなーと感じている今日この頃です。最近微妙に忙しかったので、あらためて。

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