familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ/オンライン読書会はじめました

展示会の風景③

しばらく滞りました。更新が遅いのは実生活が充実している証拠ということで・・

 

そんなこんなで開幕したアジア最大の印刷機材展示会、IGAS2018IGASにブース出展をするのは、うちの会社の32年の歴史の中でも初めてのことである。

展示会の出展費の定価は1コマ30万円。我々が出したブースは4コマで120万円、それに設営費・出張費が乗ってくる。我々ぐらいの規模の会社としては共同出展でなければちょっと足踏みしてしまう金額である。(そのため例年はブースを出さずに現地に赴き、既に知り合いのお客さんと会場で待ち合わせるという形でIGASを利用している。タダ乗りスタイルである。)

そこまでの大金を払ってブースを出す目的は、未だ見ぬお客さんに我々を発見してもらうことに尽きるのだけど、いざ蓋を開けてみると・・

インド人一色!

の6日間だった。今回の展示会で出会った新規顧客の9割はインド人。印刷業界では今、インドが一番"買う気満々"の国なのだ。

私の知る限り、インド系ビジネスマンは世界で一番アグレッシブな方々だ。待たない、遠慮しない、空気読まない。とにかく、"ぐいぐい来る"。彼らほどのアグレッシブさは日本では見たことがない。インド人とビジネスで競争したら多分勝てないだろうと思っている。

まだ日本とは物価が合わないので簡単にはビジネスに繋がらないのだけど、中古の印刷機などは値段が合う物は特にアグレッシブにぐいぐい来る。一度で話が決まらなければ何度もブースに来てくれる。(大変ありがたいことなのだけど、ブース出展者は"逃げられない"というデメリットもあることを学んだ。)

私の30代、40代はインド人を抜きにしては語れないものになるだろうということを否応無しに実感した。早いところインド出張行かなきゃな〜

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展示会の風景②

東京出張より戻りました。

うちの会社には、実はまったく同じ会社名のパートナー企業が台湾に存在する。

パートナーと言っても資本関係がある訳ではなく、既定の取引関係がある訳でもない。純粋なる友情関係である。お互い家族経営なので、まるで家族付き合いのように親しい関係が続いているのだけど、この関係はなんと30年も前に遡る。若かりし日の台湾のTさんと私の義父が展示会で偶然出会って意気投合したことがきっかけで始まった、長い物語があるのだ。

30年と一口に言っても、あらゆる物事が変化するのに十分な時間である。印刷業界もデジタル化/DTP化の大転換を経験したし、リーマンショックを始めとして不景気も何度も経験した。家族絡みでは、双方ともに子供達が誕生し、就学、自立、そして結婚に至るまで成長した。(我々の結婚式にはTさんの娘が駆けつけてくれた。)ビジネスでも家族でも、世代が一つぐるりと回ろうとしているのだ。

この30年間、お互いこの業界で生き延びて来られただけでも奇跡的に素晴らしいことなのだけど、このたび台湾のパートナー企業が結構な額の投資をして東京で開催される展示会IGASに出展することを決断した。

そして、彼らのブースの一角を我々のために使わせてくれるという、ありがたい申し出をしてくれたのだ。勿論展示会の出展費の一部は我々の方でも負担するつもりだったのだけど、これはNext generation(次世代・・私のことである)のためだからといって、頑と固辞して受け取ってくれなかった。

以上が今回の東京出張のいきさつである。我々も家族総出で上京。丸6日間という長丁場の戦いが始まりました。

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展示会の風景①

1週間ほど東京出張に行ってきます。IGASという世界4大印刷業展示会に数えられる大きな展示会に出展する機会を頂きました。(しばらくブログの更新が滞りますが、ご容赦下さい。。)

IGASは3~4年に1度のペースで開催されているのだけど、前回のIGASのとき私はまだサラリーマンであった。なので会社を休んで(もう時効だよね)当時交際中だった妻と参加した。

当時は今以上に英語も分からず、ファミリービジネスのことも印刷業界のことも何も知らなかった私だけど、そのときに出会ったお客さん達のことは強烈に覚えている。IGASは、ファミリービジネスにおける原体験の一つである。

そのとき、若くして大成功を収めたシンガポールの経営者から言われた言葉をよく覚えている。

Hey Jun, business don't wait anybody.

折りに触れて思い出す大事な言葉です。誰が何を考えどう感じようが、ビジネスは誰も待たずにぐいぐい進んで行く。この仕事にスピードを感じられない時は、きっと自分が置き去りにされている時だけなのだろう。激動の印刷業界に先んじれるよう、頑張ってきます。

帰ったら東京出張編書きます!

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ファミリーライブラリーを作ろう!③

ファミリーライブラリーの話、最終回です。

義母の子育て日記が出てきた。義母が子育て日記をつけていた頃は、義父が裸一貫で独立したばかりのまさに創業期でもある。何冊もの大学ノートに几帳面に綴られた子育て日記を読むと、不安と苦労と喜びに満ちたうちの会社の創業物語を追体験できるようだ。妙にませた子供時代の妻の様子や(両親が仕事をする様子を見て育ったからだろうか)、義父の今以上の猛烈な働きっぷり(スイス出張の3日後に上海出張!)など、何度読んでも感じ入ることが多い。

当時の義母の育児記録はまさか30年後に娘婿が読むなんて思ってもみなかっただろうけど、今こそ読むべき貴重な読み物である。こんなものをPDF化しましょう!なんていうのは野暮なことである。ファミリーライブラリーの貴重な資料として、間違っても無くさないよう大事に保管していこう。(半ば存在を忘れ去られつつあるアルバム達やVHSの山は早々にデータ化しなきゃな・・と思いつつ。)

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ファミリーライブラリーを作ろう!②

ファミリーライブラリーの話の続き。

ファミリーライブラリを作るにあたって実現したいことをまとめると、以下の3つです。

1、写真やビデオの散逸のリスクを最小化する

2、時系列&イベント別に管理し、必要なときすぐに参照できるようにする

3、ただ管理するだけでなく、過去の記録が新たな価値を生む機会を増やす(振り返りの機会を増やす)

この目標に挑戦するにあたって、写真やビデオの現実的な保存方法は①印刷物②パソコン③外部記憶媒体④クラウドの4択ぐらいだろう。

最近の流行ではGoogle driveAmazon prime photoなどのクラウドサービス一択!なのだろうけど、クラウドは真っ先に検討から除外した。こんなにも世の中がクラウド一択に突っ走っているのが信じられないくらい、ファミリーライブラリーにおいては私はクラウドサービスを信用していない。

家族の歴史を託すにはクラウドは不適だと感じる理由は多いけど、第一にクラウドのデータ散逸リスクはすごく高い。ログインアカウントを忘れたら即終了だし、何かの拍子にアカウントがハックされたり凍結されても即終了である。ストレージにお金を払い続けなければデータは勝手に消滅する。(制限容量なしで写真とビデオを保管できるサービスは現状存在しない)

そして、データが大量になると取り回しが非常に難しくなる。どの端末からでもクラウド上の膨大なデータベースにアクセス可能なのがクラウドの強みなのだろうけど、amazonphotogooglephotoもネットが弱いところでは使い物にならない。そして、一度クラウドに写真10万枚級、何百GBというデータを預けてしまうと、全件をローカルに戻す(ダウンロードする)のは不可能に近い。そうなると、半永久的にクラウドに頼る羽目になる。この先何十年も、インドだかシンガポールだかどっかのサーバーに家族の歴史を置きっ放しにするのが、本当に最善手なのだろうか。お気楽にクラウドにデータを放り込んで満足している人達は、そのへんをどう考えているのだろう?

・・かといって紙(アルバム)に戻すのも現実的には不可能である。紙媒体の閲覧の簡易さは素晴らしいけれど、10万枚の写真を全て印刷して保管するのは不可能だし、長期間の保管を考えるとアルバムも紛失リスクが伴う。

 

そんな諸々を考えて私が辿り着いた結論が以下の通りです。

結論→macの写真アプリを非クラウドで使う。そこに全ての写真、動画を手動で放り込む。イベント別の管理も手動。デバイス間のデータの移行も手動。

・・という時代に逆行するやり方である。macの写真アプリはUIが綺麗なので思い出を振り返る機会は自然と増える。全てのデータをローカルで一元管理できているので、いつかパソコンを買い換えるときもデータの引っ越しは簡単。パソコンに保管されたデータは死蔵しちゃうのがお決まりだけど、タブレットの登場によってこの問題は大分改善された。データを手動で移して持ち運ぶというアナログな方法だけど、今のところは満足して使っております。

唯一最大の欠点はとにかく手間がかかることだけど、写真を整理する時間も大事な振り返りの時間だと割り切ることにしている。

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ファミリーライブラリーを作ろう!①

家族で小さな貿易商社を営む我々ですが、うちの会社の創業は32年前。その当時妻はまだ5歳であった。当時の写真を見せてもらうと、子供時代の妻がヨーロッパから来たお客さんの膝に座ったり馬乗りになったり・・、随分自由なご接待をしている様子が分かる。

先日のドバイ出張の際、我々も2歳の姪っ子を同伴させてお客さんに抱いてもらった。長い時間をかけて子供達が成長し、いつの間にか自分の子供をお客さんの元へ連れて行く側へと交代していく様子は、家業を営むうえでのロマンの一つである。

そんな古い写真をめくりながら家業の歴史を振り返るのは楽しいし、家業を次の世代に渡していくうえでとても大切なことだと思う。思想や価値観を次代に受け継いでいくために、写真やビデオなどの記録は口伝だけでは出来ない役割を果たす。

けれど、そんな貴重な写真やビデオは往々にして散逸していくものである。この30年の間、デジタルアナログへの大転換も経験したし、互換性のない記録媒体のアップデートが何度も発生した。我々の貴重な社史も、いつ散逸してしまうか分からない状況である。

そんなことを考えて、ファミリーライブラリーの整備に着手しました。続きます。

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英語が喋れるようになった・・・?

先日の出張ではドイツ、オーストラリア、中国の人々とまる一週間行動を共にして仕事、観光、会食・・と様々な用事をこなした。その間の会話は全て英語なのだけど、出張の終わり頃にふと気づいたことがある。

 

・・・あれ、いつの間にか私・・・英語喋れてる・・?

 

そう。この旅では自分でも頬をつねりたくなるくらい英語に困らなかったのだ。

 

これまで英会話はいつも6割くらいしか話についていけず妻の通訳に頼っていたのだけど、今回は会話の内容もほぼ全て理解できており言葉に詰まることもほぼ無かった。お陰で大変意義のある時間を過ごすことができた。20代のうちはドメスティックな人生を歩んでおり海外の人との接触など殆どなかった私としては画期的な変化である。

 

子供の言語の習得にしてもそうだけど、言語能力というのはある日急に花開くように喋れるようになるらしい。 英語に関しては特に猛勉強をする訳でもなかったけれど、日頃のネイティブキャンプ活動だけは地道に続けていた。それがついに実を結んだのかもしれない。

次なるステップアップを目指して、こつこつ頑張ります。

 

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