familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ/オンライン読書会はじめました

展示会の歩き方

"関西高機能フィルム展"という展示会に行ってきました。

こういった各種業界の展示会が国内各地で定期的に開催されており、貿易マンにとっては新たな商材を開拓する一番の手段である。ビジネスマッチングサイトが普及してからは展示会の意味合いも大きく変わったけれど、売り手と買い手を繋ぐ大事な場であることには変わりない。ネットだけでは分からない情報が豊富な場なので、海外に売れそうな商材を探し歩いて取り扱い商品を増やす・・というのが我々のミッションである。

 

とはいえ、大手メーカーは市場が乱れるのを防ぐため自社の貿易部門を通じてしか商売しかしないし(直接貿易=直貿と言います)、同じ理由で海外における販売代理店を既に決めてしまっているメーカーも多い。そういったところは特殊な事情でもない限り我々が入り込む余地はない。売上を伸ばそうと思ったら、まだ世の中に発見されていない商材や、隠れた魅力のある商材、大手・準大手メーカーがまだ取り組めていない販路を掘り出す努力が必要になるのだ。

そんな意気込みで参加するものの、我々はフィルム業界では全くの門外漢である。開拓しようにも展示製品の意味がよく分からない。

わたし「これは・・何だろう・・?」

妻  「さあ・・・何かしら・・?」

というアホみたいな会話をしながら各ブースを回ってパンフを集めて回る一日であった。

そもそもが分からない物が多い中、気になったのはエコ商材。例えば通常のプラスチックは自然界で分解されるのに1,000年かかると言われるけれど、麻を主原料にした生分解性プラスチックは、役目を終えたら短期間で土に還る。そして車やスクーターの外装に使用できる程の強度を誇るらしい。(!)エコプリンティング商材と一緒にこういうのも提案できるようになったら商売になるかなぁ

 

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雑記:カフェロイドが欲しい話

私はお酒はほとんど飲まないのだけど、コーヒーをよく飲む。

多分豆代だけで月に5,000円くらいかかっているのだけど、まぁお酒代よりは安いかなと思って許容している。手挽きミルでコーヒー豆をごりごりと削る時間は私の小さな幸せの時間である。

 

そんな私が今欲しいものがこちら。

焙煎機つき全自動コーヒーマシン カフェロイド

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このコーヒーメーカーの何がすごいのかというと、"焙煎機能つき"のコーヒーメーカーである。生豆の状態から豆を焙煎(ロースト)して、それを粉状に挽いたものが一般にご家庭で使われるコーヒーである。豆を挽くミルを持っている人はそれなりにいても、焙煎機を自宅に所有する人はよっぽど稀だろう。

コーヒーは生鮮食品であり、焙煎直後から鮮度は徐々に落ち始める。飲むタイミングに合わせてコーヒー豆を焙煎できるという環境は、コーヒーが好きな人にとっては理想である。そんな憧れの焙煎機がコーヒーメーカーとセットになっている。しかも深煎り、浅煎りといった焙煎度合や豆を挽く際の細かさ、ドリップの速度までを好みや豆の種類に応じて細かくプログラミング可能の最新機である。

 

コーヒーやカカオや砂糖は200年以上の歴史を持つ元祖ぼったくり貿易商材というか、原産地価格と末端価格との差がすごい商材である。いつか観た映画によると、エチオピアで生産されたコーヒー豆がニューヨークでナントカフラペチーノになるまでに値段は実に30倍以上に跳ね上がる。(現地ではコーヒー一杯0.2$)

我々の貿易ノウハウを駆使して現地から直接生豆を買い付ければ、スターバーックスなどで提供される末端価格より劇的に安く買えるはずだ。カフェロイドの値段次第では、背伸びして買った方が将来的にはお得かも・・?

 

 

 

 

・・・という妄想を一瞬したのだけど、

 

 

お値段なんと36万円!

 

 

・・・ペイするのに10年くらいかかりそうなので諦めました。

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読書録:英語は3語で伝わります②

昨日の話の続き。

"~が~する"というSVO形の表現力の豊かさについてはなるほどーという感じで楽しく読んでいるのだけど、今の私がそれ以上に仕事で重宝しているのが「命令形」である。

英語は日本語と違って主語を省略することが文法上許されないのだけど、「命令形」は英語において主語を省略できる唯一の例外である。「早くお金払ってください!」とか、「見積もりの返事早く下さい!」とか相手に具体的なアクションを促すことが多いビジネス英語においては、簡潔明瞭な表現に落ち着けようと思ったら命令形はすごく便利である。

ただ、命令形を多用しすぎるといくらビジネス英語とはいえ表現がキツくなったり一本調子になってしまう。(気をつけないと「さっさと金払え!」みたいなニュアンスになってしまう)

それを避けるために、Pleasekindlylet us~などの丁寧表現をくっつけて表現のキツさを誤魔化している。

Please kindly proceed the remittance.(お金払ってね!)

Please kindly let us know the delivery date.(納期いつですか!)

 

などなど、"丁寧な命令形"はすごく便利なのでお世話になりっぱなしである。とはいえこれだけでビジネスを進めるのにも限界があるし、乏しい表現力で無理やり押し切ろうとするといわゆるブロークンイングリッシュになってしまって誤解の元になってしまう。

表現の幅をもっと広げないと一歩先のコミュニケーションがきつくなってくる。貿易の仕事を初めて半年ちょい。未だ課題だらけの日々です。

 

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読書録:英語は3語で伝わります

「会話もメールも英語は3語で伝わります」

特許翻訳者の中山裕木子さんという方が書いた本を読んでいます。

"3語"の言わんとするところは、somebody does somethingという、主語動詞目的語という構文(いわゆるSVO型)を使いこなせば英語表現はシンプルで伝わりやすくなりますよーという話。

「私は英語教師です」と言いたいとき、日本で英語教育を受けた人であればI am an English teacher.と言いたくなるだろう。けど実はI teach English.と3語で表現することが出来る。

Our new policy is thought to be effective for increasing sales..(我々の新しい政策は売上げアップに効果があると思われる)みたいな長く複雑な表現も、SVOの型にハメることでぐっとシンプルになる。→Our new policy will increase sales.

などなど、具体例が豊富で面白いです。

 

ビジネス英語のキモは誤解なく・素早く伝達すること。なので可能な限りの簡潔明瞭な表現が求められる。受験英語の呪いというか、表現に悩むとどんどん明瞭な表現から遠ざかってしまう私としてはぜひ習得したい能力である。

10年この仕事をやっている妻はやっぱりそのへんの英語遣いが得意だ。それを最初に強く実感したのは2年半ほど前、新婚旅行で海外に行った時。

現地に到着してすぐに我々は、飛行機疲れを癒やすためにマッサージを受けに行った。待合室で待っている間にジュースのサービスがあるという話だったが、遂にジュースは運ばれて来ず我々のマッサージの時間になってしまった。

さて、こういう時はどう対応すればいいのだろうか。当時今以上に海外慣れしていなかった私は、ジュースを持って来て欲しいのであれば何と言えばいいのだ?えーっとサムバディセイズザットウィーキャンビーギブンジュースビフォア・・・・これでいいのか?たかがジュースなのに長くないか?合ってるのか?そもそもジュースを要求していいものなのか??と一瞬で様々な考えが頭をよぎり、軽くフリーズしてしまった。

 

パニクっている私をよそに、妻はたった2語でこの問題を解決した。

NO JUICE ?

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ゴールデンウィークの過ごし方②

今週のお題「ゴールデンウィーク2018」

書き物や仕事をする元気もなかったので、ひたすらテレビを観て過ごしたゴールデンウィークであった。普段私があんまりテレビを見ないので、録り溜めたテレビ番組やNetflixを時間を気にせず夫婦で観る機会は意外に貴重だったかもしれない。体調が悪かったお陰で、(?)寝込んでなきゃ手をつけなかったようなものに手をつけることができた。

 

観たもの・読んだもの。

映画:海辺の生と死

実話を下敷きにした同名エッセイが原作。終戦直前の奄美大島を舞台にした恋愛戦争映画。長尺の映画ながら演出を控えて淡々と進む作風のため、体調不良で動けない私が観ても退屈な映画だった。。唯一の見所は満島ひかりの鬼気迫る演技。旦那さんの死後、20年間毎日喪服を着て過ごしたという島尾ミホさんの壮絶な事実をリアルに再現していた。後日譚にあたる小説「死の棘」を読んでいたらもう少し楽しめたのかも。

 

アニメーション:アグレッシブ烈子

サンリオのアニメシリーズ。真面目で気弱な性格の商社経理部OL烈子(レッサーパンダ)はブラックな上司の元、ストレス全開の会社生活を送っている。日頃のストレスをデスボイスで発散する時の烈子はサンリオキャラクターとは思えない豹変を見せる・・というお話。

ホルモンとかデトロイトメタルシティとかベビメタとか、メタ的なデスメタルの路線にある作品なのだろう。キャラクターもお話もコミカルなのだけど、もはや遠い思い出となりつつある会社組織のストレス"あるある"がリアルすぎて深く頷きながら観入ってしまった。

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マンガ:賢者の孫

"なろう系"というものを一度読んでみたくて興味本位で手を出してしまった。あまりのしょうもなさ(ごめんなさい)にくらくらしながら暇にまかせて最新話まで読んでみた。何の苦労も伏線もなくすごい才能の持ち主に突如変身した主人公は、何をやっても素晴らしい成果が出てしまって世界中から持て囃されて、権力者や美女やエリート達から頼られまくってモテモテ・・・という話がマジで延々と続く。こんなものを本気でわくわくしながら読んでいる人が世の中にはいっぱい居るのだろうか。。と不安な気持ちになってしまった。

ゴールデンウィークの過ごし方①

今週のお題「ゴールデンウィーク2018」

 

連休明けて月曜ですね。皆様良いゴールデンウィークを過ごせましたか?

私は最悪のタイミングで風邪をひいてしまい、遂に家から一歩も出られぬまま連休終了でした。大切な予定もキャンセルしてしまったし、仕事も一日休んでしまったし周囲にも多大なご迷惑をおかけしてしまった。。義両親が救援物資を届けてくれたお陰でなんとか生き延びることができました。感謝。

体温調節機能が貧弱なのか分からないけれど、私は季節の変わり目にすごく風邪をひきやすい。昨年の秋から冬にかけての時期は気をつけていたお陰で無事だったけれど、今年の冬春はやられてしまった。

迷惑をおかけてしまった皆様や、私に風邪をうつされて共に寝込む羽目になってしまった妻には平謝りしかないのだけど、これはこれで必要な休息だったのかなとも思う。このところ食生活もちょっと悪くなってたし、オーバーワーク気味でもあった。

これは大切な体からのサインだと思い直し、連休は思いっきり休養を取った。ブログも休業して、なるべく動かず、刺激物を避け、ひたすら眠る。眠る。薬を飲んだらもう少し早く治ったのかもしれないけれど、薬も飲まずとにかく休養。

一日15時間睡眠の廃人のような生活を送り、GW最終日にはやっと回復できました。体調もそうだけど、気力というか意欲をフル充電できたのが一番良かった。

という次第で、元気いっぱいで迎えた連休明けです。ぎらぎら。

 

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深圳・上海出張(準備編)④

深圳(シンセン)という都市は、上海に比べると規模も知名度も小ぶりである。中国に馴染みの無い方は知らない方も多いんじゃないかしら。定住人口1,400万人。人口では中国第7位の規模である。

ただ、実は深圳は中国の経済成長の最先端を行くかなりトガった都市である。深圳の強みは"若さ""成長速度"

30年前までは人口30万人の漁村に過ぎなかった深圳は、経済特区に指定されたことを契機に僅か30年で人口1400万人の大都市に成長した。4,600%のすごい成長は、人類史上最速と評する人もいる。

急激に成長した都市だけあって、平均年齢はなんと32歳、高齢者率2%という驚異的な数字である。今では「世界の工場」の一翼を担う重要な都市であり、一人あたりのGDPは中国トップである。

若い都市ほど、新しい都市インフラを整備・浸透させるのにコストがかからない。その強みを活かして最先端の都市づくりが進んでいる。象徴的なのが電子マネーの普及。"アリペイ""Wechatpay"などの電子決済の普及率はほぼ100%。屋台の買い物ですら現金不要だそうだ。(路上生活の方ですら電子マネーで献金をせがんでくるとか!)街中の至る所にGPSと連動したシェアサイクルが配備されていたり、電気自動車の普及率も圧倒的に高かったりと、先端を行く都市である。

中国のシリコンバレーの異名も持つ深圳は、今はIT産業が伸び盛り。膨大な数のスタートアップ企業だけでなく、世界シェア3位の携帯電話メーカーHUAWEIとか、ウォーレンバフェットが巨額の投資を行ったことで話題になったバッテリメーカーのBYD、ドローン世界シェア第一位のDJIWechatの運営会社であるTENCENTなど、益々成長しそうな大企業もずらりと本社を構える。

うちの会社の中国のお客さんも深圳のお客さんが多い。深圳の成長の追い風を受けて、同年代のお客さんがどんどんお金持ちになっていく様子はちょっと羨ましくもある。私は深圳は2回目の訪問。ここまで書いといてあれだけど、実際に行ってみると日本ほど綺麗じゃないしSF的にかっこいい都市ではない。けれど天を突くようにニョキニョキと伸びる高層ビル群や、往来する若者、若者、若者!には成長の目覚ましさを感じる。

世界最大の電気街とか、HUAWEI本社とか見に行く時間ないかなーと画策中です。

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