深圳・上海出張(準備編)④
深圳(シンセン)という都市は、上海に比べると規模も知名度も小ぶりである。中国に馴染みの無い方は知らない方も多いんじゃないかしら。定住人口1,400万人。人口では中国第7位の規模である。
ただ、実は深圳は中国の経済成長の最先端を行くかなりトガった都市である。深圳の強みは"若さ"と"成長速度"。
30年前までは人口30万人の漁村に過ぎなかった深圳は、経済特区に指定されたことを契機に僅か30年で人口1400万人の大都市に成長した。4,600%のすごい成長は、人類史上最速と評する人もいる。
急激に成長した都市だけあって、平均年齢はなんと32歳、高齢者率2%という驚異的な数字である。今では「世界の工場」の一翼を担う重要な都市であり、一人あたりのGDPは中国トップである。
若い都市ほど、新しい都市インフラを整備・浸透させるのにコストがかからない。その強みを活かして最先端の都市づくりが進んでいる。象徴的なのが電子マネーの普及。"アリペイ"や"Wechatpay"などの電子決済の普及率はほぼ100%。屋台の買い物ですら現金不要だそうだ。(路上生活の方ですら電子マネーで献金をせがんでくるとか!)街中の至る所にGPSと連動したシェアサイクルが配備されていたり、電気自動車の普及率も圧倒的に高かったりと、先端を行く都市である。
中国のシリコンバレーの異名も持つ深圳は、今はIT産業が伸び盛り。膨大な数のスタートアップ企業だけでなく、世界シェア3位の携帯電話メーカーHUAWEIとか、ウォーレンバフェットが巨額の投資を行ったことで話題になったバッテリメーカーのBYD、ドローン世界シェア第一位のDJI、Wechatの運営会社であるTENCENTなど、益々成長しそうな大企業もずらりと本社を構える。
うちの会社の中国のお客さんも深圳のお客さんが多い。深圳の成長の追い風を受けて、同年代のお客さんがどんどんお金持ちになっていく様子はちょっと羨ましくもある。私は深圳は2回目の訪問。ここまで書いといてあれだけど、実際に行ってみると日本ほど綺麗じゃないしSF的にかっこいい都市ではない。けれど天を突くようにニョキニョキと伸びる高層ビル群や、往来する若者、若者、若者!には成長の目覚ましさを感じる。
世界最大の電気街とか、HUAWEI本社とか見に行く時間ないかなーと画策中です。