familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ/オンライン読書会はじめました

深圳・上海出張⑧

海外でタクシーに乗ることのストレスについていつか書いたけど、上海でも2回ほど悪質ぼったくりタクシーに遭遇した。8回乗ったうちの2回なので確率としては3割弱だけど、体感値としては5割くらいだ。いずれも完敗ではないものの、すごく後味の悪い乗車経験でした。

 

①夕方の5時頃、友人と食事をするためにホテルからタクシーに乗った。(ホテルから乗ったタクシーだったので、まあ安全だろうと油断していた我々であった。)

「プードンまでお願いしまーす」

「プードンね!今はラッシュアワーだから6千円だよ!」

「え!?」

明らかに激高である。昨晩同じルートでタクシーに乗った時は2千円ほどであった。

6千円!?おかしくない?」

「ラッシュアワーだから!しょうがないから!レシート渡すから大丈夫だよ!」

レシートなんかもらっても全然大丈夫ではない。ラッシュアワーだから・・というのは嘘であったことが後に判明するのだけど、さすがに高すぎるので最寄りの地下鉄の駅まで行き先の変更を告げる。

「ラッシュアワーだよ!?今の時間、大混雑で地下鉄なんか乗れないよ!?」

これも嘘であったことがすぐに判明するけど、それでもいいから地下鉄の駅まで行ってくれと再度リクエスト。

「ちっオッケー分かったよ。。じゃあ2000円ね。」

「高い!!」

これもぼったくり価格である。普通は同じルートで400円である。

「ありえないでしょ!せめて600円!」

「ラッシュアワーだから高いの(嘘)!!2000円!!」

・・・押し問答の末、結局1000円ほどを払ってタクシーを下車した。待ち合わせには微妙に遅刻した。

 

②最寄り駅からホテルまでタクシーに乗車。・・乗った直後からどうも嫌な予感がする。レシートのような物で隠されてメーターが見えないのである。そしてなんか遠回りしているような感じもする。今度のドライバーは英語が通じない。カタコトの中国語で料金は大体いくら?と尋ねてみても向こうの返答が聞き取れない。

「着いたアルよ。はい2000円。」

「高い!!!」普通は400円のルートである。

ふざけんな400円の道だって知ってるんだぞとギャーギャー怒鳴り立てる我々。我々の言葉は伝わってないはずだけど、怒ってるときは言語は通じるものである。向こうも中国語で彼の主張を押し通そうとしてくる。

言葉も通じないし押し問答の埒もあかないので、結局800円ほどを運転手に投げ渡して勝手に下車した。(こういう時、タクシーのドアは施錠されていないようだ。適正だと思う金額を投げ渡して勝手に降りるのがこういうときの正解なのかもしれない。)

 

まとめ

・無免許営業の違法タクシーである白タクは避ける(これは常識)

・が、中国では個人タクシーもぼったくりが多い

・メーターを隠す、つけないタクシーは要注意

・大きな会社っぽいタクシーだけはまあ安全

 

中国版のUberである"滴滴"が普及してこういう悪質タクシーはさっさと絶滅してしまえと思うのだけど。

 

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深圳・上海出張⑦

この旅の二つ目の目的である文具の展示会に参加するため、飛行機で深圳上海に移動。

蜃気楼が見えそうなほど巨大な展示会場で開催される上海文具展2018。Sさんの会社は高額な参加費を支払ってこの展示会にブースを出展している。有り難いことに我々も彼らのブースに間借りさせてもらい、新商品であるインクのPRをさせてもらうことになっていた。

Sさんの会社は、単に商品を展示するだけではなくインフルエンサーと呼ばれるお抱えアーティストを招聘してデモンストレーションを行う。流麗な水彩画を書くオシャレ男子や、驚くほど精巧な粘土細工を黙々と作る若いお母さん、このためにドイツからやってきたNさんの会社の技術者などがブースに立って客寄せをしており、ファンも続々と集まってくる。文具商社はアートの現場までビジネスの範疇に入るのかーと勉強になる。文具業界も面白そうだ。

Sさんの厚意で通りに面した良い場所をもらった我々も、そんなインフルエンサーに負けじと自社商品のPRを行う。

・・が、ここで誤算(?)があった。英語がほとんど通じないのだ。

国際的な展示会とはいえ、来場者の大半はドメスティックな商売をしている方々で、そんな人達は英語など喋らないのである。仕方がないので用意した中国語の資料を見せながらボディランゲージでなんとか頑張る。

私の奇妙なボディランゲージが何かのデモンストレーションと勘違いされたのか、明らかに一般の参加者っぽいおばさんや、果ては警備のおっさんまで物珍しそうに集まってきて困った。

中国語が全くできない状態で中国の展示会に参加するのは無謀だと気づくのが遅すぎたけれど、唯一覚えた「ミンピェン!(名刺)ミンピェン!(名刺)」という言葉を駆使し、忙しそうな新人A子ちゃんに通訳を手伝ってもらったりと四苦八苦して何件か有望そうなお客さんに出会うことが出来ました。

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深圳・上海出張⑥

深圳最終日は視察兼ねた観光。中国の画家が集うエリアでの画材店めぐりの一日でした。

深圳の街を見て進んでるなーと思ったのは、やっぱりスマートフォン決済。

・駐車場代の支払いは全てスマートフォン決済。駐車場の出入り口にカメラが設置されており、そのカメラが車のナンバープレートを識別して記録、あちこちに設置してあるQRコードをスマートフォンで読み取ることで駐車料金を決済するという仕組み。小銭ない・・・駐車場から出られない・・・というトラブルとは無縁である。日本にも普及すればいいのに。

・レストランや喫茶店の卓上にもQRコード。店員さんを呼ばなくてもオーダーが出来たり、料金の支払いもセルフで出来る。店員さんが日本ほど親切ではなく、人口の多い中国では合理的な仕組みである。(ちなみに高級店にはQRコードはなかった。中国では店員さんが注文を取ってくれるのは"高級な"サービスなのだ。)

・小売店のショーケースにもあちこちに天猫(楽天のようなEコマースサイト)へアクセスできるQRコードが貼ってある。スマートフォンで読み取りをすることで、お店のオンライン店舗でも買い物することも可能である。日本ではAmazon vs 小売店!みたいな対立構図が未だに語られるけれど、中国ではとっくに新しい仕組みをadoptして共存しているのだ。

 

色々と驚いたけど、すごいのはなんと言っても普及率。深圳では個人商店から小汚い飲食店に至るまで、ほぼ全ての場所でスマートフォン決済が可能である。QRコードも電子決済も別に新しい技術ではないけど、日本がこの水準に追いつこうとしたら何年かかるかは想像もつかない。

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深圳・上海出張⑤

スピーチも無事に(?)終わり、パーティーは華やかにお開きになった。

パーティー終了後も、我々海外勢は会場に居座り残ったワインをかき集めて勝手に二次会を開いていた。オーストラリアのRさんとドイツのN夫妻とはたった半日行動を共にしただけだが、この頃にはすっかり打ち解けていた。会場から追い出されてもホテルのロビーに移動して三次会?は続く。遅い時間までSさんとSさんフレンズも付き合ってくれた。きっと疲れていたろうに・・・

 

さて、ドイツで150年近い歴史を持つ画材メーカーの社長であるNさんは、おそらく今回の参加者で一番の"大物"である。とはいえ偉そうな感じの方ではなく、大変気さくで常にエネルギッシュに喋りまくっている人であった。もちろんジョークも抜群に上手い楽しい人である。(日本と海外では"デキる大人"の定義が本当に真逆だよな~・・といつも思う。)

そんなNさんに我々の会社についての話をすると、"事業承継"について真剣に考えた方がいい、と親身にアドバイスをしてくれた。

Nさんの会社は初代から4代目まで代々家族経営だったそうで、彼は5代目にして始めてのサラリーマン上がりの社長だという。彼が社長に就任した時も先代社長が会長として会社に残っていたそうで、きっと事業承継においてはものすごぉぉぉく苦労したのだろう。

会社のサステナブルな繁栄のためだけでなく、誰かが席を急に奪われたと感じないためにこそ、Succeed plan(事業承継プラン)は絶対に必要・・とのことだ。うちの会社は義父はまだまだ元気で頼りになるし、私もまだまだ新米なので事業承継など先の話のように思ってしまうが、次の世代に繋ぐバトンを受け取る日はいつか必ず来るのだろう。

いざその時が来て慌てる前に、日本に帰ったら現実的なプランを一度真面目に考えなきゃな〜と心に留めた。

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深圳・上海出張④

この出張最大の目的の一つ、Sさんの会社の10周年記念パーティーに参加した。

さてこのパーティー、どんなノリのパーティーなのか事前に皆目予想がつかなかった。中国の会社のパーティーなんて参加したことなど勿論ないし、会社は成長しているっぽいけどSさんの普段のカジュアルさを考えるとパーティーもカジュアルなものなのかもしれない。どんな服装で行けばいいのかも予想がつかなかった。スピーチもどれくらいガチなものを求められているのかも分からなかった。

とはいえ実は私は人前で喋るのはそんなに苦手ではない。10代、20代と人前で喋る機会は多かったし、日頃から物事を真剣に考えていないためか緊張も余りしない。飛行機の中でさらっと原稿を書いて準備は一丁あがりであった。

 

・・が、ホテルのパーティー会場に入るとすごい光景が広がっていた。

豪華な舞台に巨大スクリーン、ドレスを纏ったプロの司会の方、そして仮装した女の子たちのドラミング演奏でパーティーは開幕。そして次から次に繰り出される豪華な食事と余興。そんな会場で、スピーチは150年近い歴史を持つドイツの画材メーカーの5代目社長の次が私の番であった・・・

 

この雰囲気に完全に気圧されしてしまった私は、わたし史上最悪のスピーチをしてしまった気がする。(自分が何を話したのか覚えていない。動画も怖くて見たくない)招待客のほとんどが中国の方で、英語が通じなかったのが幸いである。

 

そういえば日本語でスピーチをした経験はあっても、英語でスピーチなどしたことがなかった私である。

「なんで直前まであんなに余裕だったのよ?」と、後で妻から正当なツッコミが入った。

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深圳・上海出張③

深圳のSさんの新事務所に訪問。我々が知る限りで3カ所目のオフィスである。引っ越す度に人が増えて事務所が大きくなっておる・・

朝食会の流れからの大所帯で事務所を訪問するものの、特に何かプログラムがある訳でもなく、ただただ事務所に居座る会だった。事務所や倉庫を自由にうろうろしたり、サンプルを眺めたり、気が向いた相手と談笑したりして過ごす。他のお客さんも続々と訪れ、気がつくとどんどん人が増えていく。結局だらだらとオフィスに居座ること・・およそ4時間。こういうアジアっぽい気楽さは楽しいし、話題が尽きた頃にこそ、ぽろっと面白い話が出たりもする。

 

倉庫訪問

貿易的に気になるのはピカピカの事務所よりウェアハウス(倉庫)。倉庫を見せるというのは相手に手の内を明かすような行為でもある。倉庫の規模から年商が推定できるし、在庫してある商品群から付き合いのあるメーカー、売れ筋商品、取り組みの優先度だけでなく、彼らが提案する世界観のようなものまで見えてくるようだ。えー!いつの間に○○扱ってるの!みたいな商品も多くあった。今後の商売のネタを沢山頂きました。気前よく倉庫に立ち入らせてくれたSさんに感謝。

 

異種格闘技戦のような談笑タイム

Sさんフレンズの一人のMさん。中国浙江省義烏市には4km四方(!)に及ぶ超巨大な問屋街があるという。彼はそのマーケットを隅々まで知り尽くしており、そこであらゆる物を調達して海外に輸出するプロであるという。その世界一の規模のマーケットには無い物は無い。写真さえあればどんな物でも作れると彼は豪語する。メイドインチャイナの申し子のような人である。

一方、150年近い歴史を持つドイツの画材メーカー社長のNさんは中国産の低品質な類似品に頭を悩ませているらしい。そんな水と油のような関係性の人達が集って談笑できるのも、利害関係のないインフォーマルなネットワークならではの面白さなのかなぁと思う。

ド新人A子ちゃん

最近入社された貿易部門のアシスタント、A子さんに挨拶するのも今回のプチ目的の一つ。お会いしてみると大学を卒業したばかりの新卒さんであった。聞くところによると、彼女はSさんの大学の先生の口利きで入社されたそう。Sさんフレンズの話もそうだけど、起業の土台として大学という機関が活用されているのは日本と大分違うなーと感じる。

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夜はいよいよスピーチを頼まれたパーティーにお呼ばれです。

深圳・上海出張②

だいぶ南に移動したので予想はしていたけど、現地は梅雨時の日本以上に蒸しっとする暑さでした。(気温以上に湿度がすごかった。室内で壁が結露するほどの湿度らしい。)

深圳の初日はホテルでの朝食会からのスタートでした。おしゃれな言い方をするとパワーモーニングといったところだろうか。中国では日曜日の朝食を家族揃って外食する習慣があるらしく、ビジネスでも朝食会は結構多いらしい。ホテルの朝食会場は家族連れで賑わっていた。

この朝食会で、この旅で行動を共にすることになる人達と出会った。

一つがSさんの大学時代の友人達。Sさんは大学でグローバルビジネスを学んだそうで、彼らはその頃のご学友である。今回のパーティーの開催にあたり、通訳兼ドライバー兼招待客・・という位置づけでパーティーの裏方を手伝ってくれていたのだ。この旅を通じて移動から通訳から、ものすごくお世話になった。Sさんの抜かりないアレンジに恐れ入る。

Sさんフレンズも多くが卒業後、深圳に出てきてビジネスを始めた若手起業家達である。日本では大学は教育・研究機関の位置づけだと思うのだけど、中国ではビジネスを始めた人達の互助機関のような役割も果たすのだろうか。(後日書くけれど、若手起業家達への人材確保の機能も果たすようだ。)こういうインフォーマルなネットワークも活用しながら、中国の若手起業家たちは成長していくのかなぁと思う。

そしてもう一団が我々を含む、中国以外からの招待客という位置付けの人たちである。我々のほかにはドイツとオーストラリアから来られた画材メーカーの方々、いずれも社長である。ドイツからはご夫婦での参加であった。まさか中国出張で白人の方と長い時間行動を共にするとは思わなかったけれど、彼らにも大変お世話になった。

英語、中国語、ドイツ語、日本語が飛び交うすごい朝食会だったけれど、素敵な人達ばかりですぐに打ち解けることが出来ました。朝食会の後、Sさんのオフィス訪問に向かいます。

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