familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ/オンライン読書会はじめました

読書録:そのひとクチがブタのもと②

「そのひとクチがブタのもと」読書録の続き。

一応family businessのブログなので、"家族"という観点でもう少し語ります。

 

統計的な事実として、親の肥満は高確率で子供に遺伝する。

とある調査によると、父親か母親が肥満である場合、子供が肥満になる確率は3倍高いという。遺伝的な要因もあるのだろうけれど、習慣の要因を無視してはいけない。

家族に食料を供給する存在を"食料管理者"と言うらしい。家庭では母親が食料管理者である場合が多いのだろうけど、食料管理者は家族が食べる物の72%をコントロールするという。その食料管理者の食傾向は家族全員に強い影響を与える。それは食事の量だけではなく、味の好み、食器のサイズ、選択するブランドから食に対するコダワリの熱量まで、多くの物が親から子に受け継がれる。

そして家族は共通の食経験を持つ。体の栄養のためではなく、心の滋養のために摂取される食品はコンフォート・フードと呼ばれる。コンフォート・フードの好みは子供の時に感じた原体験に強く引っ張られる。幼少期、"ご褒美""お祝い"のオケージョンに食べた食品は、子供の脳裏にハレのイメージを刻み込む。(お祝い事にはケーキとかが定番ですよね)そして子供はその経験を一生引きずって生きる。・・そう考えると、甘いお菓子に必要以上にハレのイメージを与えてしまうのもどうかなと思ってしまう。

 

やっぱり食は健康の基本だと思うのだけど、家族の食卓は次の世代、更に次の世代の健康に強い影響を与え続ける。健康を失ったら何の保証もない生き方をしている我々だからこそ、こういう話題には人一倍興味を持たねばと思う。

 

*余談です。食事の際に"好物を最後まで残す派"の人は圧倒的に一人っ子、長男長女が多いという。兄/姉と一緒に食卓を囲んできた人は、好物を奪われる危険を察して好物を真っ先に口に入れる習慣が身につくという。この傾向は大家族だと特に強いらしい。

同じ家族でも家庭内のポジションによって食習慣も変わる・・というのも興味深い。

 

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