familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ/オンライン読書会はじめました

バーチャルお義父さんシステム

いつか中古機ビジネスについて書いた話の続きです。

日本国内の印刷業者さんが廃業や買い換えなどの理由で印刷機を手放すことがある。(残念ながら最近は廃業案件の方が多いのだけど)手放されるのは何十年と使用された機械だけど、日本製印刷機はそもそもモノがよく、日本人は機械をすごく大事に扱うので中古でもまだまだ使える。そういった機械に次なる職場を与えることを生業とする業者というものが世間には存在し、我々はその業界の片隅で中古印刷機を海外に輸出する商売をやっている。

海外に販売された中古機は現地ではメーカーのメンテナンスなど受けられないし、そもそもパーツが足りなかったり、機械がちゃんと動かないことだってある。その代わり値段は新台の1/10くらいと激安である。新台では5,000万円くらいの機械が500万円とかで買えるので、どう考えてもお得である。ただ、なにぶん中古なので体感値では3割くらいの確率でトラブルが起こる。値段が高いだけにトラブルが起きたら冷や汗モノだ。メンテが上手く行きトラブルがなく無事に売り抜けることができれば結構儲かる・・というハイリスクハイリターンな商売である。

私の義父はこの切った張ったの中古印刷機業界で何十年と生き抜いてきた人である。知識と経験がモノを言う商売なので、70代にしてバリバリ実務の中心として活躍中である。義父を見ていると、年齢を重ねることで職人的に益々スキルアップしていく仕事もあるんだなーと感じ入る。

・・が、これは印刷業界素人の私には到底辿り着けない領域であり、そのことに私は長らくうっすらとした危機感を抱いている。

その対策の第一弾として、「バーチャルお義父さんシステム」というプロジェクトを立ち上げた。うちの会社の過去の取引をデータベース化して、経験が足りない分をデータで補うことで少しでも義父に追いつこというものだ。

これまでの取引履歴がエクセルとかで残っていたら良かったのだけど、私以外の全員がアナログ人間のうちの会社に残っていたのは、大量の伝票のみ!

目をしぱしぱさせながら、まずは2年分の集計を終えました。こういう地道な作業をコツコツと続けられるのは数少ない私の長所である。大企業の本社で3年間エクセル奴隷のような仕事をやって身についた貴重なスキルです。今となっては感謝しかない。

いつか役に立つ日が来ますように。

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