familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ/オンライン読書会はじめました

展示会の風景⑥

展示会編、最終回です。

記事にするまでもなかった諸々の雑感たち。

展示会の場では、「期待の新製品!」「憧れのテクノロジー!」と大手各社が大々的に新商品をPRするのだけど、実はオフセット印刷機というのは構造的にはここ20年くらいあんまり進化していない。単純な印刷スピードアップや、クラウドを使った業務の集中管理・画像認識技術の高度化によるチェック機能の改善など、根本的な技術革新を伴わない改良が主なトピックである。中古機を扱っている我々からしたら、これは大きな追い風である。5年前のiphoneなんて使う気がしないだろうけど、下手したら私より年上の中古機械がバリバリ現役で海外に売れていくのはそういう事情もある。そう考えると中古機ビジネスというのは、低成長の時代にマッチしたビジネスなのかなぁなんて思う。

展示会ウィークは昼間の仕事も大事だけど、夜の部もすごく大事である。大事なバイヤーは前半に来る傾向にあり、日にちも限られているので誰と食事に行くか、よくよく作戦を立てて食事に誘わないといけない。場合によっては2部制にする、ランチに回すなどして調整する。下見1件、ご接待3件、他に兄貴に会いに行ったりと、夜も予定満載であった。ベトナムのお客さんに寿司屋でしこたま飲まされ、珍しく酔っ払った私でした。。

今回の展示会の言い出しっぺである台湾のTさんはものすごくアグレッシブな方である。英語力は私と同じくらいのはずなのに、どこの国のお客さんが来ても机をバンバン叩きながら超アグレッシブに話をする。決断もアクションも早く、彼に渡した資料が翌日には中国語に翻訳された立派なパンフレットに仕上がっていた。

聞くところによるとTさんは、私と同じく婿入り的な立場でこの業界に入ったそうだ。私も仕事を頑張ってたらいつかTさんみたいになれるかしら・・と希望を持とう。Tさんは台湾に帰国したその日に今度はマレーシアの展示会に飛ぶそうだ。あの火の玉のような経営者について行くのは大変だろうな・・とTさんの社員達にちょっと同情するけれど。

6日間にわたるIGASの終了のアナウンスが鳴るのと同時に、設営会社の人達が撤去作業をしに忙しそうに入ってきた。一つの仕事が終わると同時に次の仕事が始まり、それがずっと続いて行く。世界はそうやって回っていくのかなあ・・と、展示会に来るとなんだかセンチメンタルになってしまう私でした。

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