familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ

読書録:コンテナ物語①

f:id:familybusiness:20180412205048j:plain

数日間更新が滞っておりました。ここ数日何をしていたのかというと、「コンテナ物語」という本にハマって読みふけっておりました。(ビルゲイツもおすすめの一冊です。)

コンテナに積載された貨物が大型船・列車・トラックを乗り継ぎながら世界中に運ばれる・・という1960年代に起こった物流革命、いわゆる"コンテナリゼーション"を取材したノンフィクションです。

経済や情報のグローバル化が進む中で、今やコンテナは当たり前の風景となってしまって見落とされがちだけど、コンテナの威力って物凄い。

コンテナを輸送するための大型コンテナ船は300メートルを越えるサイズを誇り、40フィート(12.2m)のコンテナがなんと3,000個も積載される。重量に換算するとおよそ10万トンの貨物である。このサイズの船が大型の港には20隻以上も停泊して同時に作業を行っており、自動化された高速クレーンが一時間に30~40個のコンテナを積み込む。この規模の船が何百隻も、一時も休まずに世界中の海を回っている。

途方もないサイズの船だけど、この10万トンの貨物を積んだ船はたった20人の人員で動かされている。徹底した効率化・自動化によって物流コストは極限にまで抑えられ、コンテナ1個に満載された荷物の運賃はファーストクラスのチケット1枚より安いという。

一説によると、コンテナリゼーションによって物流にかかるコストはなんと60分の1に圧縮されたそうだ。大量の荷物を圧倒的な安価で輸送できる・・という破壊的なイノベーションは、その後の世界を大きく変えた。
・物流費が激安になったことで、生産拠点の海外への移転が進んだ。サプライチェーンは延々と長くなり、1つの製品を組み立てるのに複数の国が関わるのが今では当たり前である。

・物流費が激安になったので、企業は原料と人件費の安い土地"だけ"を追い求めることがコスト削減の王道になった。労働市場のグローバル化が起こり、国際的な人件費削減の競争が始まった。

・一度に大量の貨物を運ぶことがコンテナの一番賢い使い道である。そのためスケールメリットが極大化され、全ての業種において大企業への集約が進んだ。 

いわゆるグローバル化という言葉は、コンテナリゼーションを抜きに語ることができない。コンテナリゼーションがもたらした変化がその後の世界を明るくしたとは言い切れないけれど、想像を絶する物量が圧倒的な低コストで世界中を行き来していることだけは確かだ。もはや今の世界はコンテナで出来ていると言っても過言ではない。続きます。