familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ/オンライン読書会はじめました

ドバイ出張⑧

ドバイ出張記、最終回です。

最終日は最後のご褒美ということでビーチエリアに移動。ドバイのビーチエリアは世界中の富裕層に向けて国を挙げて再開発されたエリア。ここにあるドバイ最高級ホテルは安い部屋でも一泊40万円らしい(!)。我々夫婦は予算的にだいぶ無理をして、最終日に1泊だけ、ビーチエリアにあるホテルに滞在する予定であった。

まだまだ開発が進む綺麗な海沿いを眺めながら素敵なホテルに到着。日本語堪能なイスラム教徒の女性がチェックインをしてくれた。さすが高級ホテルだなーと思っていたら、気まずそうにフロントの女性がすごいことを言い出した。

「アノースイマセン、、、お客様今日このホテルには泊まれないです。」

「えー!!」

「申し訳ないデスケド、政府の関係です」

「政府の関係!??」

「政府の関係で、キュウに部屋がナクナリマシテ・・」

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どうやらホテルとしては絶対にリクエストを断れない先客が急遽延泊を決めたようで、1泊しかしない我々がリストラされることになった・・とのことである。(せっかくのリゾートホテルに1泊しかしない宿泊客は珍しい)

"政府の関係"の意味するところはそれ以上詳しく教えてくれなかったけれど、王族系の宿泊客なのだろうか。。ホテル側のオファーとしては、近くのホテル(ヒルトン系列)を抑えたので代わりにそこに宿泊して欲しいとのこと。ヒルトン系列のホテルは日本にもあるし(泊まったことはないけれど!)、何しに中東まで来たんだと大いに憤慨する我々。

この旅最大のトラブルに際して、海外経験豊富な妻が交渉を頑張ってくれた。

1、アラビア風のリゾートホテルに泊まりたいのだ。ヒルトン系列では代案にならない。

2、他に宿泊出来ている人がいるではないか。我々だけが宿泊を断られる理由を説明出来ないのであれば、こちらが納得のいくオファーをしてほしい。

3、レート(料金)さえ保証してくれるのであれば、他に空いているホテルを探しても良い。

という論旨で宿泊客としての権利を交渉。困り果てる担当女性。マネージャーの白人女性まで呼び出して今度は英語で粘ること、----2時間。

海外では日本人は文句を言わない良いお客さんだという定説があるらしい(英語が増不得手な人が多いし)。そのため、どこに行ってもレストランの席やホテルの部屋割りなどで冷遇されることは多い。今回も私一人だったらおとなしくヒルトンに移動していただろう。

長い交渉の末、最終的にはホテル側が大きく条件を譲歩してくれ、料金としては倍近くのレートのホテルへの移動を申し出てくれた。(粘った副賞(?)として朝食+ディナーまでついてきた!)私は交渉は妻に頼り切りだったので、どこに行っても正当な主張と交渉が出来るよう経験を積まねばと小さく誓った。

そんな紆余曲折を経て、ドバイ最後の一日はすごいホテルで過ごせました。アラビア語で"宮殿"を意味するホテルはプライベートビーチに幾つものプール、20を超えるレストランがあり、広大な敷地に張り巡らされた水路をアブラと呼ばれる乗り物で優雅に移動する・・という本物のお城のようなところでした。私は最後まで落ち着かなかったけれど、各国のお金持ちのバカンスの様子を間近で見られたのが一番の収穫でした。

家業を繁栄させて、長期滞在でここに再訪できる身分になろうと誓う我々でした。