familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ/オンライン読書会はじめました

ドバイ出張②

イントロその2。

ドバイという都市についての補助的な説明をしておきます。

ドバイという都市には、オイルマネーで潤った裕福なアラブ系の人達が高級外車を乗り回すバブリーな都市・・というイメージを持つ方が多いと思う。確かに世界一高い建造物はドバイにあるし、世界一大きいショッピングモールもドバイにある。ヤシの木をかたどった巨大な人口島には世界中の富裕層が別荘を構えている。そういう意味では確かにバブリーな都市である。

けれど、そういうイメージはUAEの観光誘致政策によって作られたものだという面もある。近年のドバイは石油の採掘量が落ち込んでいる上に、"シェール革命"によってエネルギーの価格決定権を米国に奪われつつある。そんな逆風の中で"脱石油依存"を目指して、金融・建築・観光・ITなどの産業に熱心に取り組んでいるのだ。(中東のシンガポールみたいなポジションを狙っているのだろうか。)我々の抱く「バブル都市、ドバイ!」のイメージはそんな国家的な努力の賜だったりする。

そもそもドバイは、人口の8割を外国人が占めるモザイク都市である。大富豪のイメージのあるUAE国籍のアラブ系国民は人口の2割にも満たない。移民の中でも最も多いのはインド系の人であり、なんと全人口の半数以上を占める。今回我々がお会いするお客さん達も、皆インド系のビジネスマンである。

超ざっくり言うと、ドバイはこんな感じの都市です。

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ビーチサイド(再開発エリア)ではリーマンの直撃(いわゆる"ドバイショック")を受けて頓挫した巨大プロジェクトも多いけれど、新市街エリアは建築中の建物がすごく多い。建設ラッシュを推進しているのは私企業ではなく政府系のデベロッパーなので景気対策として建築を主導している面もあるそうだけど、それでも非常にエネルギッシュな都市である。土地(砂漠)は有り余っているし、海水を浄化する技術もあるらしいので、お金と人手さえあればどんどん砂漠を開拓して都市を広げていけるのはドバイの強みかもしれない。景気が良ければ移民もどんどん入ってくるし。

要約すると確かにすごいところだけど、国民全員が大富豪って訳じゃない。そもそも国民の殆どがインド人なので、ゴージャスなアラブ感というよりは随所にアジア感の漂うエネルギッシュな都市である。というところです。

明日から本題に入ります。続きます。