familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ

「逃げ恥」を見た①

お正月に「逃げ恥」が再放送されていましたね。私はドラマにそんなに興味がないのだけど(そもそもテレビをあまり見ない)、ずっと見たがっていた妻に捕まり最後まで見る羽目になった。せっかくなので感想を書きます。

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(これから見るのを楽しみにしている方は少ないと思うけど、ネタバレ含みます。)

 

 

ここ数年、「生産性」という言葉が大流行している。投下したコスト(時間やお金)に対してどれだけの見返りがあったか、という観点でパフォーマンスを評価する考え方です。

「生産性」なんて本も流行ったし、安倍内閣が主導する一連の政策も「生産性革命」と銘打たれている。

会社に行けば山のような仕事と無為な拘束時間を押しつけられ、家庭では育児と家事にがんじがらめに押さえ込まれてしまうような世の中において、「生産性」という言葉は全ての問題を解決する魔法の鍵のように喧伝されている。

 

さて「逃げ恥」が切り込んだのは、「生産性」という考え方はどこまで拡張できるか?という問いなのだと思う。

 

主人公のヒラマサさんは独身かつ奥手の優秀なプログラマー。彼はひょんなことからみくりちゃんを家事手伝いとして雇用することになる。"生産性"の観点から効率を求め二人は「事実婚」という形で契約を結び同居生活を始めることになる・・というあらすじ。

ヒラマサさんは職業柄ややデジタルな考え方をする人物として描かれている。「生産性」を私生活にまで躊躇なく拡張していく物語展開に違和感を持たせないためだろうか。彼が頻繁に口にする「システム」という言葉も「生産性の追求」と読み替えることができる。この観点で見ると、ドラマの展開は以下のように紐解くことができる。

初期

二人が恋愛関係になかった当初は、二人の関係における「生産性」は単純なお金と時間の綱引きで評価される。ヒラマサさんがみくりちゃんを雇用するのは、それによって増大する自由な時間のバリューが支払う賃金を上回るからだし、みくりちゃんが雇用されるのは労働に対する対価である賃金に満足しているからだ。

中期

雇用関係の延長ではあるものの、二人が恋人関係に発展した理由は、お金と時間だけで二人の共同生活の生産性を評価出来なくった為である。「愛情」という第三の価値基準が登場したのだ。この時期にも賃金の支払いを伴う雇用関係は継続しているので、二人の価値基準は「お金」と「時間」と「愛情」という3点の間を揺れ動く。

後期

ヒラマサさんのみくりちゃんへのプロポーズは、"初期"の価値観で見ると単なる「賃金打ち切り」と同義である。ヒラマサさんの不器用さも手伝って、みくりちゃんは彼の提案を単純に受け入れることは出来ない。二人は(事実婚ではない)結婚を迎えるにあたって、「お金と時間」以外に2人が求めるバリューを試されることになる。。というのが最終回あたりの筋書きだろうか。

ドラマの最終回でもそこに明確な結論は出ない。「応相談です」という台詞に象徴されるように、「お金」と「時間」と「愛情」の3者にはさまれながら幸せを追求することを二人が決意するところでドラマは終わる。

 

結局最後まで見ちゃったし良いドラマだったと思わないでもないけど、ファミリービジネス的にはこのドラマについて思うことがいくつかあります。

ファミリービジネス的な「逃げ恥」批判。「その前提、おかしくない?」という話に続きます。