familybusiness’s diary

家族で貿易商社を営む日々のあれこれ

語学と貿易⑥

ネイティヴキャンプが面白い話。ネタは尽きないけど最終回にします。

フィリピン人講師から話を聞いていると、明るい話題ばかりではなくフィリピン社会の暗部に触れてしまう機会も多い。

 

dependent(依存体質)な大人達

フィリピンでは、自立した子供が経済的に親や親戚を支える文化がある。親孝行なのは良いことだと思うけど、ひとたび子供が働き出すと親がそれにべったり依存してしまうらしく、親、兄弟姉妹、果ては親戚まで養うために労働に縛り付けられている若い講師に多く出会った。

フィリピンパブで出会った女の子と結婚したら彼女の故郷にまで送金する羽目になった・・というステレオタイプなイメージはあるけど、こういう文化は親御さん世代が作っているものだったんだなと理解した。

途上国の労働観は大体そういうものなのか、キリスト教の宗教観に裏打ちされたものなのか、恵まれた自然条件に育まれたものなのか分からないけれど、これだといつまでも若い世代が豊かにならず悪循環が繰り返されるんじゃないかな・・と心配してしまう。

 

・多産の国と貧困

フィリピンはすごーく多産なお国柄らしく、一人のお母さんで5人とか10人とか出産することも珍しくないらしい。ただし経済的に豊かな家庭は少ないので、自分の子供を育てられない家庭も多い。これがスラム化や捨て子の問題の直接の原因になり、解決への道は遠いよう。(宗教的な観点から中絶は認められていない。)先ほどの依存体質の問題と合わせて、就労した若者を苦しめている原因の一つでもあるよう。

多産の課題と依存的な親の体質を揶揄して、

「うちは子供をたくさん産むからすごーくproductive(生産的)な国なのよ~はっはっは」

と笑った講師がいたが、上手いブラックジョークだなぁと思った。

 

graveyardシフトの話

ネイティブキャンプは日本人専用のサービスなのだけど、日中忙しい人や海外在住の人のために24時間営業体制にしている。サービスを受ける側としてはものすごく便利である。

当然ながら講師陣も24時間体制なのだけど、深夜から明け方まで働く過酷なシフトを現地ではgraveyard(墓場の)シフトと言う。治安の悪いフィリピンでは深夜早朝に通勤することは望ましくないので、職場の近くに寝泊まり用の部屋を借りて生活する人もいた。彼女はまだ小さい子供を抱えており、子供に会えるのは週末だけだと言っていた。

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外資の侵略

フィリピンの母国語は英語ではないのだけど、幼稚園から英語を習うため高齢者を除くほとんどの人が英語を喋る。

英語が話せて人件費の安い国は欧米圏の国からしたらすごく"役に立つ"国である。コストカットを目当てに、欧米諸国の企業のカスタマーセンターやBPOがガンガン押し寄せてきている。待遇面では買い叩かれている印象が強く、ネイティブキャンプ講師の賃金も(さすがに書かないけど)日本の感覚でいうと驚くほど安い。

本国流の厳格なコストカット体質を貫く外資系企業の労務環境は良好なものばかりではないらしい。アメリカやヨーロッパなど、エンドユーザーに時差がある企業では、graveyardシフトが前提となってしまう。外資企業のカスタマーセンターでひどいパワハラにあって逃げ出してきた・・という人も何人か遭遇した。

 

"WORK SHIFT"みたいに、国境を超えて24時間仕事に追われまくる世界がいつの間にか実現していたんだなと恐ろしくなる。

うちもフィリピンにも何件か顧客がいるけれど、我々のビジネスが少しでもフィリピン社会を前進させるものであると信じたい。